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技術情報

トレーサビリティ

トレーサビリティの実現

BSE騒動以降、食べ物の安全性を保証する手段として、「トレーサビリティ」ということが話題にのぼるようになりました。
食べ物は農場からさまざまな処理を経て、消費者に届けられています。生産者のせっかくの努力の成果も、消費者の側からはどこの誰が作ったのか、まったくわからないことが、食べ物への不安感をもたらす一つの原因です。
そこで、食品の生産、処理・加工、流通の各段階で、原材料の出所や食品の製造元、販売先などの履歴を記録・保管し、食品とその情報を追跡、遡及できるシステム、いわゆる『トレーサビリティ・システム』の構築が提唱されています。

 

消費者から見て、その商品の来歴を確認できる方法としては、いくつかの手段が考えられます。

【1】製品に詳細な情報を表示する

商品の大きさからくる情報量の制約もありますが、直接表示したパッケージを使えば、最も柔軟に情報を表示できます。商品名は同じでも、生産者が違う場合など、すべての商品のパッケージに正しい情報を表示するのは不可能です。そのため、生産ラインで直接商品に印字するなどの方法があります。

【2】情報を二次元コードとして表示する

二次元コードは小さな面積に大量の情報を記録できるので、サイズによる制約を逃れる方法としての利用が考えられます。前の方法と同じく、あらかじめパッケージに印刷しておくのではなく、製品個々にあった内容の二次元コードを、ライン上で作成する方法が有力になるでしょう。

【3】コードだけを表示し、情報の内容は別途調べられるようにする

二次元コードは、人間が見ても意味がわかりません。専用のコードリーダーが必要になるため、消費者自身が情報を確認できないという欠点があります。そこで、人間が読める文字で、コードだけを表示しておく方法が有力です。消費者はこのコードから自分で情報を入手しなければなりません。このためには、インターネットなどを通じて情報を入手することができるような仕掛けが必要です。

トレーサビリティ情報を公開する

消費者が、手にした商品の来歴を調べられるようにしておくには、いくつかの方法があります。

【1】カタログなどを配布する

通信販売や共同購入などでは、媒体としてカタログを配布することが多いので、あらかじめ印刷したものを配布し、消費者に調べてもらうことができます。

【2】電話での問い合わせに応ずる

一般の販売ルートでは前項の手段はとれないので、消費者から電話などによる問い合わせができるよう、対応をとることになります。お客様センターを完備している企業の場合、あらかじめ情報を整理しておけば、問い合わせた消費者から高い評価を得ることができるでしょう。

【3】インターネットで公開する

商品に表示されたコードで情報を検索できるサイトを、インターネット上に設けることもできます。消費者はいつでも自由に、情報を取り出せるメリットがありますし、販売側の負担も少ないので、今後このような方法が普及していくでしょう。 農産物の場合、個々の農家が自分で情報サイトを作ることはあまり現実的ではないので、 生産者が無料で情報を登録できるサイト(青果ネットカタログ「SEICA」)が国によって作られています。 さらに2003年12月より、国産牛のすべてに耳標をつけ個体別に管理する、牛肉のトレーサビリティシステムがスタートしています。

トレーサビリティ情報の信憑性

情報の公開と同時に、その情報が正しいものであることを証明できるように準備しておく必要があります。
たとえば、1トンの入荷に対して、その情報をもった商品が2トン分出荷されていないと、どうして証明できるでしょうか?
入荷量は伝票などの手段で確認できます。出荷量の証拠には、表示をした時点でその数量を集計しておくような仕組みがあればよいのです。 単なるパッケージやラベルではなく、リアルタイムでの印字に伴って集計をとっていくコンピュータシステムが、トレーサビリティを裏で支えていきます。

産業用インクジェットプリンターを活用する

紀州技研工業のインクジェットプリンターを、トレーサビリティのシステムに活用する方法は、いろいろあります。

■ 商品の情報を印字する

インクジェットプリンターの進化によって、印字できる情報量は急激に拡大しています。 弊社の「インクジェットプリンター JET HQ500」は、70mmの高さに文字サイズや段数の制限なしに、大量の情報を美しく印字できます。しかも印字のたびに印字内容の更新が可能ですので、商品そのものに詳細な情報を表現することが可能です。

 

《ラベラーとインクジェットプリンターの違い》
  ラベラー インクジェットプリンター
バーコード印字 可能 可能
可変情報印字 不可
(可変情報印字モデルでは可能)
可能
導入コスト 比較的安価
(可変情報印字モデルは高価)
高機能ラベラーと同等
ランニングコスト ラベル1枚あたり数円~数十円 ラベルの1/5~1/10
印字速度 低~中速 高速対応
環境問題 離紙がゴミになる ダイレクト印字=ゴミ “ゼロ”
消耗品 ラベル、リボンの在庫管理 インクのみ
生産性 ラベル、リボンの交換=ライン停止 ライン稼働中にインク補給

 

■ 商品の情報を印字する

弊社インクジェットプリンターのQRコード印字機能は、印字の度にリアルタイムでQRコードを生成します。製造した時間やシリアルナンバーまで、QRコードに含むことができます。あらかじめ作成しておいたQRコードの画像を印字するのと違い、トレーサビリティには最適の機能です。QRコードを読み取り、販売の現場で、詳しく商品の案内をすることが可能になります。

 

■コードを印字し、集計をする

上位コンピュータシステムと結んで、リアルタイムで情報を印字するシステムには、印字した数量の集計をとり記録する機能を容易に追加できます。弊社の技術陣は、豊富な経験とノウハウで、最適なトレーサビリティ・システム構築をお手伝いします。

 

■日付・ロットナンバーなどだけからでも追跡は可能

小規模な会社では、大げさなトレーサビリティ・システムの代わりに、日付・ロットナンバーなどを商品に印字し、そのロットの記録を残しておくだけでも、立派なトレーサビリティ・システムが完成します。こまめに記録を残すには、印字データの切り換えが簡単なインクジェットプリンターが便利です。小回りのきく、小規模生産の強みを活かすシステムをご活用ください。

 

■可食性インクはトレーサビリティ・システムの活用をサポートします。

紀州技研工業では、卵に賞味期限を直接印字するシステムを開発してまいりました。賞味期限に加えて、生産農場名などを印字することで、トレーサビリティへの対応がすぐに可能になります。卵殻に印字するインクは、食品添加物を使用した「可食性インク」を開発しています。

さらに、りんごやみかんなどへの直接印字も可能な、安全性の高いインクを研究しています。バラ売りされることの多い食べ物でも、個別に表示があれば、最強のトレーサビリティ・システムを構築できます。

卵への直接印字は「インクジェットプリンターJET CCS-EG(YouTube)」、果物への直接印字は、「果物に直接印字(YouTube)」をご覧下さい。

食品への表示に関してのご要望は、弊社までご連絡ください。

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