技術情報

卵への印字

鶏卵の日付表示の決め手は「直接印字」です!

平成15年12月、半年前の卵が出荷され、一部の消費者に被害が出たことから、社会的な問題となりました。鶏卵の賞味期限表示については、以下の記事で説明していますが、この表示そのものの信頼性が問われる事件でした。

紀州技研工業では、鶏卵への表示に「鶏卵への直接印字」を勧めてきました。弊社のインクジェットプリンターの高速・非接触印字と、食品添加物を使った安全性の高いインクを利用して、GPセンターのライン上で賞味期限やロットナンバーを直接印字することにより、日付の改竄や誤出荷を未然に防ぐことができます。

鶏卵の日付に対して、多くの消費者が疑問を持つようになっている現在、日付印字つきの鶏卵を供給することは、非常にタイムリーな施策ではないかと考えています。

紀州技研工業は、鶏卵への直接印字について、豊富な経験と実績を有しています。

卵に賞味期限を印字

背景

厚生省は平成10年11月25日付で、卵のサルモネラ対策として、食品衛生法施行規則および食品、添加物などの規格基準の一部改定を行いました。これにより、鶏卵に消費期限または品質保持期限を表示することが義務付けられ、これらの改訂規制は、平成11年11月1日から施行が開始されました。

 

今までの問題点

卵への賞味期限表示には、パックにラベルを添付する、卵1個ずつに小さなシールを貼る、などの方法があります。
しかし、

・パックにラベルを添付の場合、卵1個1個に日付表示されていないため、冷蔵庫に移し変えた後、卵の新旧が判らなくなる。
・卵1個ずつにシールを貼る場合、コストの問題がある。
・いずれにせよ、ゆで卵などにした場合、新旧が判らなくなる。

などの問題点が指摘されてきました。
そこで弊社では、インクジェットプリンターによる卵に直接印字を提案しています。

 

直接印字のメリット

卵に直接印字には、次のようなメリットがあります。

・ランニングコスト安。インク代だけですので、豆シールと比べるとコストダウンになります。
・安全性が保証されている。
・ゆで卵にした場合でも印字が消えないため、いつまでも卵の新旧が判別できる。
・インクジェットプリンターを使用するため、内蔵のカレンダー機能により、日付の更新などは自動的に行われる。
・上位選卵機との接続により、サイズ毎に異なる印字内容を印字したり、印字の有無の区別も自動で行うことができる。

紀州技研工業では、インクジェットプリンターの技術を通して、安全で付加価値の高い卵の生産に貢献したいと考えています。

 

可食性インク

食品衛生法の規格基準に合わせた食品素材と食品添加物100%で構成された卵殻用可食性インクです。
また自社開発のインクCN105A緑は、従来の卵殻用可食性インクに比べ視認性が良く、赤玉・白玉印字ともにご好評をいただいております。

このインクは卵殻のカルシウムと反応し固着するため、卵内部まで浸透することはなく、また、茹でてもとれません。このインクを使用する機種はインクジェットプリンターJET CCD-EG型です。

 

卵の賞味期限表示について

情報の公開と同時に、その情報が正しいものであることを証明できるように準備しておく必要があります。
たとえば、1トンの入荷に対して、その情報をもった商品が2トン分出荷されていないと、どうして証明できるでしょうか?
入荷量は伝票などの手段で確認できます。出荷量の証拠には、表示をした時点でその数量を集計しておくような仕組みがあればよいのです。単なるパッケージやラベルではなく、リアルタイムでの印字に伴って集計をとっていくコンピュータシステムが、トレーサビリティを裏で支えていきます。

産業用インクジェットプリンターを活用する

平成11年11月1日から食品衛生法により、卵への「賞味期限表示」が義務付けられました。
この期限表示は卵での食中毒を防ぐためのもので、賞味期限内であればナマで食べても大丈夫、という意味を持っています。期限を過ぎたもの、期限表示のないものはナマで食べてはいけない、ということですが、加熱調理して食べる分には問題はありません。

卵の食中毒では、サルモネラ(S.E)汚染が最も深刻な症状を起こします。農場での汚染防止はもちろんのことですが、新鮮な卵は抗菌力を持つため、産卵後一定期間内の卵では食中毒の恐れは少ない、とされています。
どの程度の期間が安全なのかということですが、鮮度の劣化は温度により左右されるため、季節によって違います。以下に 「たまご博物館」 から、目安の数字を転載します。

《賞味期限設定の目安》
季 節 該当の月 期限設定
夏 季 7月、8月、9月 集卵日から最大17日以内
春・秋 4月、5月、6月、10月、11月 集卵日から最大27日以内
冬 季 12月、1月、2月、3月 集卵日から最大50日以内

 

この表の根拠などについては、「たまご博物館」内に鶏卵日付表示等検討委員会が作成した、「鶏卵の日付等表示マニュアル」に詳しい説明があります。

卵のパックの中に、日付表示した紙を入れておいても良いのですが、卵は購入後、パックから出して保管されることが多いので、1個ずつ表示するのがベストです。
そこで、卵に直接日付を印字する、新しいシステム「インクジェットプリンター JET CCS-EG(右写真参照)」が注目されています。

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